会員訪問 平成26年9月11 日(木)AM11.45〜
永井建築設計事務所にて
訪問者 永井弘明 氏 工大 建築学科 昭和53年卒
現在役職等 永井建築設計事務所 所長
特定非営利活動法人 福井まちなかNPO 理事長
福井県建築士会 副会長
芝浦工業大学 校友会 福井支部 副会長
芝浦工業大学 校友会 英交会支部 会員
他
経歴等 昭和53年大学建築学科卒業と同時に地元建築設計事務所に就職。
昭和60年 30歳で独立 建築設計事務所を設立 現在に至る
(住所:910-0004 福井市宝永1-14-13 TEL:0776-27-7153)
E-mail:nagaimachinaka@ybb,ne.jp
NPO事務局:特定非営利活動法人 福井まちなかNPO
〒910-0006 福井県福井市中央1丁目10-1
URL/http://www.machinaka.e-fukui.com
まえがき
第2回の会員訪問はわが福井支部の永井弘明副会長にご登場願いました。
永井さんはまちづくり(特に、福井市中心市街地の活性化)に永く関わってこられました。そして、来春の北陸新幹線金沢開業を間近に控えて、成果が花開きつつあるように思えます。同時にこれからの活躍が大いに期待されていると私は感じています。
そこで、さる9月11日、永井さんの事務所を尋ね、いくつかのポイントについてお伺いしましたので、全国の校友の皆様にご報告したいと思います。
訪問に先立って、NPOのHPを閲覧させていただき、設立趣意書を読ませていただきました。このNPOの第一目的に掲げて活動をすることとなっており大変印象的な思いをいだいて訪問しました。
◎設立趣旨(抜粋)
人々のライフスタイルが多様化するなかで、同時に日本は急速に高齢化しています。核家族化は進行し、情報技術が進化して、今後、日本においても人は個性化し、個人主義が重んじられる世の中になって行くと推測されます。
しかし、人はいかに個人主義に走ろうとも、人と人とのつながりを本能的に求めています。 コミュニティに関する考え方も変わ って行く中で、内に閉じた家族という単位をほどき、世代を越え て融合する試みが今後求められてくるでしょう。つまり徹底した コミュニティ内の支え合いが必要なのであり、コミュニティによ るトータルケアが必要なのです。 そして、社会システムを優しく包含するハードウエアとして「まちなか」は、今後必要不可欠な存在となってきます。
この度TMO「まちづくり福井(株)」が設立されましたが、TMOはその構成上、また企業であるという性格上、公共事業等のハード面に関しては新たなる検討、提言をすることは非常に難しいと考えられます。しかし、コミュニティの場でもある、にぎわいのあるまちなかの実現のためには、ハード部分、特に公共事業の整備が必要であるため、今後とも行政にはご支援をお願いして行かねばなりません。
そのギャップを埋め、TMOとの連携を図りながら一般市民の意見と地元の意見を集約した形で提言していける組織として「特定非営利活動法人福井まちなかNPO」を組織いたしました。福井市中心街のまちづくりに関心のある方なら誰でも自由に活性化の方策を議論し、また、その実行段階としてのイベント等も実際に企画、運営していくことができます。
是非とも多くの市民、県民の方のまちづくりに対する熱い思いを、この「特定非営利活動法人福井まちなかNPO」にぶつけてい ただきたいと考え、ここにNPOとして設立いたしました。
Q1:まず、永井さんがまちづくりに関わるきっかけと最初の活動 は何ですか?
A1:芝浦工大建築学科に入学して、東京に住むことになるが、我 がふるさと「福井」を振り返った時、当時県庁移転問題が議論さ れている最中であった。これからのわが郷土をどうすべきか?特 に関心をもって調査研究を始めた。そして、卒業論文は[福井の まちづくり]についてであった。
卒業後は帰省して民間会社に就職、8年後に独立、YEG(商工会 議所の青年部)に所属し、仲間の方々と交流を深めながらまちづ くりへの具体的な活動を広げていった。その中から、必然的に市 民目線のまちづくりの必要性や、商店主や経営者などの素朴な相 談を受けて行動をする中で、行政や市民との活動に深くかかわる ことになっていく。(商店街の街路灯設置やアーケード街の計画 など、いくつかの小さなプロジェクトに関わるうちに、コミュテ イ形成とのかかわりの中で広範囲な解決策の視点が必要となり、 市民目線での行政への的確な提言を行うケースも多く、長期的 な視点を大切にしながら活動することが現在の活動につながって いったようです)
Q2:次に、そんなに永く関わることになったのはどうしてです か?
A2:YEGは45歳で青年部を無罪放免となりますが、その後も関わ りはますます深くなっていく。
特に、中心市街地を取り巻く環境は厳しくなるばかりで、市民と 行政との間に立って、市民目線で問題を提起し、方向性を出して いくことの役割の重要性がますます大きくなりそんな中で活動を 続けてきた結果である。
また、市民といっても受益者として市民、納税者として市民、 そのほかリスクを背負って街に投資を行う方々などの市民と三つ 位の市民の立場があるが、その異なる市民の意見を調整していく 役割が必要であり、誰かがこの役割を担っていく必要があるので は?と思いつつ活動を継続していたら、いつの間にかNPOの理事長になっており、30年近くたっていたということだそうです。
Q3:まちづくりについて一番大切なこと、ポイントとなることは 何ですか?
A3:一つは市民目線(先ほど述べたように市民には3つくらいの異なる市民が考えられる)で考え行動することが特に重要である。二つ目は持続可能な政策であるかという視点である。すなわち、今後の人口減少時代を迎えて、よりよいコミュニティが確保される施策であるか、つまり、短期的にいいと思われる施策も長期的な視点に立ってみた場合継続不可能な場合も多く、あるプロジェクトの成功している都市も出生率が低く次の世代に繋がらない事例などを挙げて、そのような視点で活動していくことの重要性を教示していただいた。(永井さんは、人口減少と都市政策を関連付けていろいろな資料で説明くださった)
Q4:これまでの活動から現状と課題を踏まえて今後はどのように していこうと思いますか?
A4:第一に次代を担うリーダーの養成であり、第二は次世代へつ なげる施策の提言を行うこと。たとえば、これからは国と地方と の役割分担を明確にして、地方自治体ができることは自治体の責 任で行うことが、良い地域のコミュニティを作っていくことに繋 がり、持続可能な地域社会を形成することに繋がり、地方を活性 化することになると信じて活動していきたい。
Q5:最後にまちづくりで一番大切なことは何ですか、または何だ と思いますか。
A5:まちづくりは私たち一人ひとりが主役であること、自分に何 ができるか?という視点で考えていただくことが重要であると考 えている。そのための提言活動を積極的に行っていきたい。 (NPOの設立趣意書の思いと、永井さんの夢実現への強い志を感じたお言葉がひしひしと伝わってきました)
Q6:本日はお忙しいい中をありがとうございました。是非、全国 の校友の皆様に同様な活動をされている方や具体的な問題点を考 えておられる方は永井さんと連絡をとっていただいてみてはいか がでしょうか。校友会活動を含めて今後のますますの活躍を期待しております。
なお、福井まちなかNPO 活動はホームページhttp://fukuimachinakanpo.jimdo.com/などをご覧ください!
第2回会員訪問.pdf
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